この記事では、AutoCADを使用して建築図面を作成する為の基本的な操作方法について説明します。今回の記事では、[from]というコマンドを解説します。
このコマンドは、他の記事で解説しているような、いわゆるAutoCADの線を引く等のコマンドではありません。様々なコマンドの実行中に利用できる、補助コマンドとして存在しています。とても使い勝手の良いコマンドですので、ぜひ覚えてみてください。
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基点を再設定する
[from]コマンドの機能は[基点の再設定]です。図面を描いていると、ある場所から幾つ離れた位置に線を引くということが多々あります。
例えば、次の画像のように、線P1を一番右にある赤色の一点鎖線から、1000の位置に移動させたいとします。移動させた場所を仮で点線にて描いていますが、この線の位置にP1を描きたいという状況です。
この時、赤色の一点鎖線と、今描かれているP1の距離がわかれば、もう少し移動させて1000mmとすることが出来ますが、P1の位置がしっかりと定まっていないと、数値で管理することも難しいです。
このような場合、点線の位置に線を描く為には幾つか方法が在ります。
例えば、一点鎖線に重ねて線を引いて移動する。P1は削除する。P1を一点鎖線の上に移動させて、再度一点鎖線から1000mm移動させる等です。
今伝えた2つの方法は、どちらも手順が2つあります。[from]コマンドの機能は、この操作を1つの手順(コマンド内)に収める方法です。
実際に操作すれば、非常に簡単なので、操作方法を解説します。
① 移動コマンド[MOVE]を実行し、黄色の一点鎖線とP1の交点を基点とします。
② [目的の点を指定]となりますので、キーボードで「from」と入力します。
③ 再度、基点を指定できるので、赤色の一点鎖線と黄色の一点鎖線の交点であるP2を左クリックします。
④ また点を指定できるので、キーボードで「1000」と入力し、[Enter]キーで確定します。
⑤ 点線の位置にP1を移動させることが出来ました。
様々なコマンドに利用できる[from]
先ほどの作業で、[from]コマンドの利用方法は、おおよそ理解できたのではないでしょうか。
これだけの動作で、指定したオブジェクトを、ある地点から別の地点へ移動する作業に変えることができるので、1つのコマンドで先ほどの例のように移動を実行できます。
さて、このコマンドですが、移動コマンド以外に、コピー(複製)とストレッチコマンドにも利用できます。
コピーとストレッチコマンドについては、別記事「作図基本② 線を編集する」で解説しています。コピーもストレッチも、操作方法は先ほどの解説と同じで、オブジェクトの基点を選択した後に、「from」を入力することで、再度基点を選べるようになります。
[from]コマンドの解説は以上となります。
実際の作図に慣れてないと、この機能の使い勝手はなかなか見つけにくいかもしれません。新たに描くというよりも、編集することに特化したコマンドです。壁の位置を動かしたり、建具(扉や窓)の位置を動かしたりと調整する場合に、この[from]コマンドはとても便利ですので、ぜひ覚えてみてください。
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